インターネットが登場して以降、見込み顧客の情報収集プロセスは劇的に変化し、いまでは意思決定の7割は営業に出会う前に「ウェブサイト」で済ませているというデータもあります。変化への対応としてウェブマーケティングに力を入れ、ウェブコンテンツ充実に取り組む企業が増えてきています。このコラムをご覧いただいている皆さまの会社でもウェブサイトへの投資は年々増えているかもしれません。その一方で、ウェブサイトでの接点の先にある営業現場では「従来の営業商談方法ではいままでどおりの成果が出なくなってきている」という状態に陥っていないでしょうか?
今回のコラムは、営業現場で起きている課題と、営業アプローチブックをつくることによる解決の秘訣をご紹介します。
商談現場で表面化してきている課題
営業スタッフ
- 膨大なカタログをうまく使いこなせない
- 先輩のようにうまくしゃべれない
- 営業成績にムラがあり、安定しない
- 自力で資料をつくるのがツライ
- 苦手な商品がうまく紹介できない
- 自分の商談内容に自信が持てない
営業マネジメント層
- OJTでは育たない・・・新人や若手をどのように教えたらよいのだろう?
- 転職者が多く、社員が定着しない
- 商談現場がブラックボックス化していて、マネジメントできていない
- ウェブサイトで掲載していることと営業が伝えていることが乖離してのトラブルが心配
当てはまる項目がある場合は、営業アプローチブックをつくることで課題解決につながる可能性があります。
営業アプローチブックとは?
商談時にお客様に見せる「画面」と、それを説明するための「台本」がセットになった営業商談ツールです。トップ営業のノウハウを詰めこんだ営業アプローチブックを作成し、新人や若手向けにロープレ研修をおこなうことで、商談成功率を底上げが期待できます。
現場で活用できる営業アプローチブックをつくるための秘訣
この説明だけを読むと、単なる「紙芝居」で従来の商品カタログと相違ないように思えてしまうかもしれません。しかし、実際には「ヤマほど商品カタログがある会社」ほど、アプローチブックをつくることで成果が向上しています。成功させるポイントは次の6点です。
1.短時間勝負!!ストーリーが肝
商談は短時間勝負!凝縮した10ページで、毎回最高のパフォーマンスを出す。 そのためにはストーリーが肝(カタログをかき集めただけの資料集はNG)。
2.台本を用意する(トップ営業のノウハウを「型」にする)
優秀社員のノウハウをもとに説明のための台本を用意する。まずは台本どおりにスムーズに話せるようになることが大事。
3.「想定問答集」をつくる(応酬話法)
実践の場であわてないようにするために、顧客からの「質問」や「断り文句」に対処するための想定問答集をつくる。
4.繰り返しのロープレ訓練で「型」を覚える
まずは台本どおりにスムーズに話せるようになることが大事。各営業が個性を出すのは「守・破・離」の「守」ができてから。繰り返しのロープレ訓練で、新人や若手は「商談の基礎」を身に着け、マネージャー側は「教え方」を身に着ける。
5.営業パイプラインを「視える化」する
営業アプローチブックを利用するためのタブレット端末を導入するなど、商談活動のデジタルシフトを進め、商談ワークログ収集などによって営業パイプラインを可視化し、各営業の活動状況に応じた適切なフィードバックがおこなえるようにする。
6.マーケティングと営業の連携を深める
デジタル時代における顧客の情報収集方法を意識したウェブマーケティングの実施し、それと連動した営業アプローチブックによる商談シナリオを描くことで、マーケティングから営業までのつながりを太くする。
DX時代における営業のデジタルシフトに向けて
いかがでしょうか? デジタル時代の営業スタイルは「旧KKD」から「新KKD」へと言われています。 旧KKDとは勘と経験と度胸に頼った営業スタイルで、新KKDとは、仮説を立て客観的データにもとづいてデジタル施策を実行する営業スタイルです。営業のデジタルシフトへの第一歩として、営業アプローチブック作成に取り組んでみてはいかがでしょうか?
当社がご支援できること
トップ営業のノウハウを詰め込んだ営業アプローチブックの作成をおこなっております。お気軽にご相談くださいませ。