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ウェブマーケティングの本質はいつの時代も変わらない

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ウェブマーケティングのコラムを連載するための下準備として文献チェックをしていたとき、自宅の書棚にあった古いマーケティングの本をたまたま手に取りました。それはまるで、理想のウェブサイトとマーケティングのあり方が掲載された「ウェブマーケティングの教科書」のようでした。

温故知新、15年以上も前に刊行された本の1章分(ページにしたら20ページくらい)に書かれた知見は、今日でも全く問題なく通用するウェブマーケティングの本質そのものだったのです。

1. 2002年発行のマーケティング本が持つ「先見性」

マーケティングの神様、コトラーの数ある著作のうちのひとつ『コトラーのプロフェッショナル・サービス・マーケティング』には、「オンライン・マーケティング」が章立てされています。(出所:『コトラーのプロフェッショナル・サービス・マーケティング』ピアソン・エデュケーション、2002年)

この本が発表された2002年は、パソコンなどの普及により「電子商取引(e-コマース)」が浸透しつつはある一方で、世界的なIT不況の真っただ中にもありました。ITバブルがはじけ、テレコムの破綻やヒューレットパッカード(HP)によるコンパック買収といったことが話題となるような時期でした。今から振り返ると信じられないかもしれませんが、「ITは終わった」というような声さえ聞こえていたのです。

そのような混乱した時期だったにもかかわらず、コトラーは「オンライン・ビジネスはまだ発展の余地がある」と考え、その重要性と浸透度に着目し、「オンライン・ビジネスを効果的に行うためには包括的な事業計画を策定しなければならない。明確な目標を定め、目標達成のために必要な活動を明らかにすることが求められよう。」と言明していたのです。(出所:『コトラーのプロフェッショナル・サービス・マーケティング』ピアソン・エデュケーション、2002年、P305)

2.コトラーのオンライン・マーケティングにおける「戦略的質問」

2002年当時、あまたに登場するウェブサイトの役割は、残念ながら、ほぼ商品やサービスを美しく紹介する「電子紙芝居」でした。

しかし、組織がウェブサイトを立ち上げるにあたっては、組織の「経営戦略に一致している」と同時に、「効果的なウェブサイトの運営、オンライン戦略の実施」へ導くようにと、コトラーは強く言っています。 2002年の著作でありながら、まるで昨今の戦略的ウェブサイトのあり方そのものだと言えます。

戦略的質問の例
  1. わが社の販売する製品やサービスは何か。
  2. 顧客は誰か。
  3. 顧客はわが社の製品、サービスをオンラインで購入するだろうか。
  4. 顧客はわが社のウェブ・サイトに求めるものは何か。
  5. オンラインで販売されている類似製品やサービスの値段は。
  6. ライバルは誰か。
  7. ライバルにはない、わが社のウェブ・サイトならではの特徴は。
  8. 顧客は製品やサービスまわりの何に対して関心を抱いているか。
  9. より良いサービスを提供するには、ウェブ・サイトをどのように活用するべきか。
  10. わが社の製品やサービスはどこで販売することができるか。

『コトラーのプロフェッショナル・サービス・マーケティング』ピアソン・エデュケーション、2002年、P306

コトラーが「戦略的質問の例」として挙げている10項目です。今日のウェブサイトで、この設問に答える形で制作されているものがどれだけあるでしょうか。

これらは当社がみなさまからウェブサイトに関するご相談をいただいたり、サイト診断をさせていただいたりする際にチェックするポイントと、見事に合致する質問ばかりです。

あやとりでは「経営戦略」「中期経営計画」「マーケティング」「財務諸表」「投資回収率」「チームビルディング」「成果」「顧客ターゲット」といったキーワードのもとづき、戦略的ウェブサイトの構築を進めています。

(注)「サイト診断」や「戦略的ウェブサイト構築」の詳細は、当社ウェブサイトの「現状分析(サイト診断)」「戦略的ウェブサイト構築の手順」をご覧ください。

3. ウェブマーケティングを絵に描いた餅にしないために

教科書はあくまでも教科書であって『実際の経営には通じない』『理論と実際の経営は違う』 (出所:日経ビジネス連載コラム『経営者は経営学の教科書をどう使うか』

という見識もありますが、とはいえ、このような指摘は教科書に書いてあることを試しきった人だからこそ言える言葉です。 教科書のまま素直にすべてを取り入れ、実行している組織はどれくらいあるのでしょうか。

「ウェブマーケティング」という言葉ひとつとっても、その解釈や現場での使い方は多種多様です。「ビジネス理論は難しいので理解できた部分のみ取り入れる」「組織全体で導入するのは大変なのでこの部署だけにとどめる」「はやっているフレームワークだけ真似しよう」などという考えものもとでは、当然成果は得られないのです。

今でこそIT社会と言われますが、戦略的ウェブマーケティングの本質は、これまでの連載からもわかるように、古いマーケティングの本の内容から何も変わっていません。これは、当社が担当させていただいた、結果が出ているウェブサイトの実例を見ても一目瞭然です。

ウェブマーケティングを、まずは教科書通りに実行してみませんか?

(注)コラム「ウェブマーケティングの本質とは」は、今回でひとまず区切りとさせていただきます。

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