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「強み」はキチンと理解しなければ「強み」にはならない

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「強みを伸ばそう」「強みを活用しよう」「強みで勝負しよう」など、何か解決策を求める人たちに向けてよく使われる言葉――「強み」。

あらためて「強みってなんですか?」と質問されると、明確に定義することなく、所与のものとして「強み」という言葉を使っていることに気づかされます。

1. 「強み」という言葉

辞書(三省堂大辞林 第三版)によると、「強み」とは
①強いこと。強さの度合。
②頼りになるすぐれた点。長所(a strong point, a strength)。
と記載されています。①は程度を、②は優れた点やメリットの有無を意味し、どちらも比較対象がいることがわかります。

一般的に使われている「強み」では、「私の考える強みは…」ではじまる自分視点の「強み」――すなわち「特徴」が多く語られています。

ところが、競争がある場面では、他人と比較した「強み」を明確にすることが求められます。そのときに自分視点の「特徴」をいくら挙げても、相手(ビジネスであれば顧客、就職活動であれば就職先など)からすれば、「特徴があることはわかったが、それが結果として私に何をもたらすの?」となってしまいます。

あるキャリアカウンセラーは、「面接で強みや弱みを聞くのは、その人物が自分を客観的に分析し、簡潔な言葉で分かりやすく伝えられるかどうかを知りたいからだ。しかし多くの人は、強みや弱みの内容そのものが重要なものなのだと勘違いしている。」と教えてくれました。

2.ドラッカーは常に「強み(strength)」に着目していた

ドラッカーは昨今の「強み」ブームよりはるか以前から「強み」について言及し、今日なぜ「強み」が求められているのかを、明確に説明しています。

人類の歴史において、ほとんどの人たちにとっては、自己の強みを知ったところで意味がなかった。生まれながらにして、地位も仕事も決まっていた。農民の子は農民となり、職人の子は職人になった。ところが今日では、選択の自由がある。したがって、自己の適所がどこであるかを知るために、自己の強みを知ることが必要になっている。

ドラッカーHBR掲載論文「自己探求の時代」

つづいて、組織または個人が、外部(社会や市場)から求められるような事業をおこなうために重要な「3つの事業の定義」を明示し、その3番目に「自らの強みと弱み」を挙げています。

第1に、環境としての市場である。顧客や競争相手の価値観と行動である。
第2に、自らの目的、使命である。
第3が、自らの強みと弱みである。
これらが、私が事業の定義と呼ぶものを構成する。

チェンジ・リーダーの条件―みずから変化をつくりだせ!ダイヤモンド社、2000年

「事業を定義する」とは、経営コンサルタントの小宮一慶氏による「企業の方向付け」と言い換えることもできます。社会から求められる企業にならなければ、社会に「貢献」できず、長く継続することもかないません。そのために、この3つを定義する必要があるとドラッカーは説きます。

3. 「強み」の最重要ポイントは「外部の視点」

ドラッカーの「強み」の前提は、「外部の視点」からみて付加価値があるかどうかです。

顧客は、商品やサービスそのものにお金を払うのではなく、問題解決の手段に対してお金を払います。他者が供給するものよりも解決手段が魅力であればあるほど、付加価値が高まり、顧客から選ばれることになります。それが「強み」です。

商品やサービスを紹介するだけのサイトはもちろん、「こんな製品を作っているから、これがおすすめ」というような供給側視点のサイトも時代遅れです。

大切なのは、顧客が求める「効用」をどのように提供できるのかを明瞭に伝えることです。そのためには、(1)外部環境である「市場」(顧客や競争相手)を調査し、(2)自らのミッションを定め、(3)内部環境(強みと弱み)を知る必要があります。

継続して成果をあげているサイトを調べると、どれも「強み」を明確にし、その「強み」を明瞭に伝えるための工夫がされています。自社が提供できる、そしてウェブサイトで伝えることのできる「強み」は何か、どうしたら伝わるのかを議論をしてみてはいかがでしょうか。

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