日々、ウェブサイトを更新する中で、コンテンツの中にリンクを設けるということがあります。普段、特に気にせずリンクを設けていますが注意すべきことはありますか?
「詳しくはこちら」を多用していませんか?
日々、ウェブサイトを更新する中で、コンテンツの中にリンクを設けるということは、多々あると思います。リンクこそが (他のメディアにはない)ウェブの特長であり、コンテンツからコンテンツへ、ユーザー (顧客) が欲しい情報を求めて自由に移動することができます。リンクを介したユーザーの動線を上手に設計することで、企業側のビジネスゴール達成にも寄与することが可能です。
さて、このリンクですが、「詳しくはこちら」といった具合に、「こちら」という言葉をつい使ってしまうことはないでしょうか?
拾い読みするユーザーに伝わらない
結論から言うと、リンクでは「こちら」という言葉は使うべきではありません。コンテンツ (文章) の文脈上:
xxx について詳しくはこちらをご覧ください。
...と書きたくなってしまうことはあるかもしれませんが、このようなリンクにしてしまうと、肝心な情報にユーザーが気付けない (ユーザーが情報を見落としてしまう) 可能性があります。
ユーザビリティテストをやってみるとわかるのですが、ユーザーは、ウェブページ上の文章をじっくり読むことはせず、まずは「拾い読み」をします。リンク箇所 (下線が引いてある青文字) のみをぱっぱっと見て、興味のありそうなリンクを見つけたら、そこをクリックして次のページ (詳しい情報) に行こうとする、という行動パターンがよく見受けられます。その際、リンク箇所の言葉が「こちら」だと、肝心な情報 (上記の例で言うと、「xxx」に入る言葉ですね) がユーザーの目に入らず、結果として、「ユーザーが本来欲していた情報にたどり着けない」「企業側がユーザーに伝えたかった情報が伝わらない」という、もったいない機会損失につながってしまうのです。
リンクの言葉は具体的に
この問題を回避するには、リンクの言葉を具体的にすることです。上記の例を改善するとしたら:
詳しくは「xxx について」をご覧ください。
...といった具合にします。ポイントとしては、以下の2点を意識するとよいでしょう。
- リンクの言葉の中に、肝心な情報 (上記の例で言うと、「xxx」に入る言葉) を盛り込む。
- リンクの飛び先のページのタイトル (大見出し) と同じ文言を、リンクの言葉にする。
要は、リンク先にどんな情報があるかを、リンクの言葉を一見しただけでわかるようにすることです。こうすることで、「拾い読み」をするユーザーにも、肝心な情報が伝わりやすくなります。簡単にできて、それでいて効果も大きいので、ぜひ、意識していただけたらと思います。