自社ウェブサイトで、独自のコンテンツを動画で公開したいと考えています。始めるにあたり、どういったことに気をつければよいでしょうか?
動画に向いているコンテンツとは?
基本的にウェブコンテンツは、文字情報(テキスト)と画像によって構成されるものです。あえて動画を組み込むのであれば、まずはなぜそれが必要なのかを考えましょう。
文字や画像で十分に伝わる情報を動画化しても、意味がないものになってしまいます。そればかりか、コンテンツの読み込み速度でのパフォーマンス低下やSEOの面で、かえって自社の評価を落とすことにもなるかもしれません。
動画では、そのメリットが十分に期待できるコンテンツを展開するようにしましょう。たとえば、製品の操作方法の実演、提供するサービスがもたらす現場の臨場感など、文字情報だけでは伝えきれない内容は、動画で情報提供することに向いているといえます。
動画作成で気をつけること
内容にもよりますが、尺(動画の再生時間)が長すぎるものは、ユーザーに見てもらえなくなる可能性があります。なぜなら、移動中や仕事の休憩時間にスマートフォンで見られるようなウェブコンテンツは、15秒が基本となっているテレビCMよりも、こまぎれに閲覧されることが多くなっています。 そのようなユーザー行動にも配慮した作りにしましょう。
「あれもこれも」と内容を詰め込むのではなく、テーマを絞ってコンパクトにまとめることがおすすめです。他にも伝えたいことがある場合、それは別の動画としてまとめて本数を増やせば、ひとつひとつがユーザーに伝わりやすく、閲覧してもらいやすい動画になるでしょう。
自分たちで作ってみる
動画コンテンツは、凝ったものを作ろうとすると、どうしてもコストがかかります。専門の業者に依頼すると高額となることがあるので、自分たちで簡単な筋書きや絵コンテを描いて、撮影、編集に挑戦してみるのもいいかもしれません。こまめに動画コンテンツを作り、継続的に追加していく計画があればなおさらです。
映像のクオリティーは、スマートフォンのカメラでも十分な場合もあります。もちろん、ライティングや音声撮りなど、最低限気をつけたい要素はいくつかあります。しかし、最近では低コストで機材や編集ソフトをそろえることができるので、少しずつ試してノウハウを積み重ねていくこともいいでしょう。
動画共有サイトの活用
作成した動画の配信方法ですが、いきなり動画配信用のサーバーを立てるより、まずはYouTubeなどの動画共有サイトを使ってみてはいかがでしょうか。自社サイトへの埋め込みも簡単ですし、動画共有サイトでも公開されることで顧客とのタッチポイントを増やすことができます。本格的に動画コンテンツをブランディングやマーケティングに活用するのであれば、動画共有サイト内に自社の公式チャンネルを作るのもいいかもしれません。
動画共有サイトを使うことで、その先進的な機能を活用することもできます。たとえばYouTubeなら、手軽にクローズドキャプション(字幕)を作って、映像と同期させることができます。これは、多言語展開や、聴覚障害者に対する情報保障であるアクセシビリティ対応を、低コストで実現できます。AIによって自動的に字幕を付与する実験的な機能もあり、その精度もどんどん高くなっています。
このような自社だけでは実現が難しい技術を採り入れることができるのも、動画共有サイトを使う利点でしょう。
最後にもうひとつだけ注意点です。動画共有サイトでは、再生冒頭の広告表示や再生終了の関連動画などが表示される場合があります。折角、自社サイトまで来てくれた閲覧者を、それらの広告や関連動画から流出させてしまっては損です。誤ってそのような設定をしていないか、よく確認しましょう。