自社サイトで、活気ある会社の雰囲気を出すために、役員や社員の<いきいき>とした表情の写真を掲載したいと思っています。効果的な方法や気をつけることはありますか?
顔の表情が人に与える印象
コーポレートサイトにおいて、キービジュアル(ページ冒頭の大きな画像)やリンクバナーなどに、役員や社員のいきいきとした表情の写真を掲載する事例が増えています。人の顔、とりわけポジティブな表情が写真に含まれていると、ユーザーの目を引きやすく、その会社やサービスに対する安心感や信頼感などの向上が期待できます。
実際、顔の表情をうまく取り入れることでコンバージョンがアップすることがあります。アクセス解析によると、ありがちですが――異性の顔が入ったバナーが、よくクリックされるようです。会社やサービスのイメージにそった演出の範囲内で、効果的に活用していきたいものです。
やみくもに掲載すればよいわけではない
人の顔を出すことで、コンバージョンの妨げになることもあるので注意が必要です。
たとえばユーザーが、「資料だけ取り寄せたい、具体的な商談はもう少し検討してからにしたい」と考えているときです。このとき、資料請求のリンクバナーに、担当者の顔写真が入っていたらどうでしょう。「営業担当者から電話がかかってくるかもしれない」と、ユーザーはリンクをクリックすることをためらってしまうかもしれません。
このような事態を避けるためには、ユーザーの達成したい目的と、その目的を取り巻くコンテキスト(利用状況や想定される心理状態など)を考慮して、どの程度「押し」の演出をすべきか調整することが大事です。このあたりのさじ加減はサービスによって異なるので、独自のノウハウを蓄積するとよいでしょう。
実在する社員の顔を載せる場合の配慮
このような視覚的な演出においては、有料素材より、実在する社員の写真を使用したいところです。それにより、コンテンツにオリジナリティがうまれ、その会社ならではのものとなります。
この時、社員のプライバシーへの配慮を忘れてはなりません。社員がその会社に属していることを表明するかどうかは当人の意思が尊重されるべきです。事前の合意形成をコンテンツ作成プロセスの中に盛り込んでおくようにしたいものです。また、退職時の対応もあらかじめ考えておく必要があります。
さらに、異動や組織改変によって、社員の写真を使ったコンテンツが現状とそぐわなくなる可能性もあります。そのたびに撮り直しができればいいのですが、それが難しい場合には、写真の意味するところをなるべく汎用的なものにする工夫も必要でしょう。