ウェブサイトのコンサルティングをしていると、「デザイン」について考えることがしばしばですし、実際にデザインにかかわることも多々あります。そんな中、「デザインとは何だろう?」と考えることがあります。
「このサイトのデザインはいいね (いまいちだね)」
...といった会話が現場ではよく聞かれますが、このときの「デザイン」の意味 (定義) が人それぞれ、異なっていたりするので、会話がかみ合わないことが多かったりします (そんな経験、みなさんもきっとあるのではないでしょうか?)。
ウェブデザインは「見た目の美しさ (魅力)」だけではない
デザインを、イコール「見た目を美しく (魅力的に) すること」と捉える人はとても多いですが、私は、ウェブにおけるデザインは、ちょっと違うのではないかな...と感じています。もちろん、見た目を美しく (魅力的に) すること (いわゆる「グラフィックデザイン」ですね) はとても大事で、決して軽視してはいけないことですが、「それだけではない」のです。
ウェブにおけるデザインでは、「グラフィックデザイン」に加えて、「どんな情報を提供するか (情報デザイン)」や「情報をどう提示し利用してもらうか (インターフェースデザイン)」もあわせて考える必要があります。ユーザーにとって必要な情報が、どう伝わり、どう利用され、それによってユーザーの抱える問題を最終的にどう解決するか。そう、この問題解決こそが「目指すところ」であり、それにかかわるあらゆる活動がデザインだと考えることができます。
そう考えると、たとえば :
- 情報の分類
- 画面遷移
- 情報探索 (ナビゲーションリンクを辿ったり検索したりなど) のオプション
- サイトのドメイン名
- ディレクトリ構造
- 文章の論理構成
- わかりやすさ
- あと一歩ユーザーを後押しする工夫
- お問い合わせや申し込みなどのフォームで顧客に聞くべき内容
...といったことも、(その検討過程も含めて) デザインたり得るのではないでしょうか。
プロジェクトにかかわるみんなが「デザインの構成要員」
このコラムで言いたいのは、ウェブデザインというのは、そのウェブサイトの運営にかかわるすべての人がかかわるべきことであって、「デザイナー」と呼ばれる人に「お任せ」して済むものではない、ということです。デザインを「ユーザーの問題解決のための活動」と捉えれば、たとえば、日々、コンテンツの更新にかかわるみなさんも「デザインの構成要員」なのです。
「私はデザイナーじゃないから、デザインのことはわからない...」ではなく、ご自身の顧客の問題解決という観点でみて、どう情報を提供すれば喜んでもらえるかを考えてみましょう。そして「デザイナー」に (つまり私たち「あやとり」のような専門家に)、積極的に提言してみましょう。これも立派な「デザイン」です。