どのよなSEO対策をしたらいか?
参加したセミナーで、「ユーザーが探しているキーワードで、検索エンジン結果で上位表示させないとサイトを見てもらえない」と聞きました。「SEO対策」として何を行えばよいですか?
小手先のテクニックに走らない
ウェブサイトの運用において、どう集客するか (いかに多くのウェブユーザーにアクセスしてもらうか) は大きな関心ごとでしょう。その手段のひとつが、SEO (Search Engine Optimization) です。
この SEO ですが「検索エンジンで自サイトを上位に表示させること」と理解している方が多いと思います。間違いではありませんが、そこに気を取られ過ぎると、「ページにとにかくキーワードを盛り込む」とか「Google のアルゴリズムを読んで (予測して) ソースコードをハックする」とか「とにかくたくさんの被リンクをお金で買う」といった、いわば小手先のテクニックに走ってしまう (いわゆる「ブラックハット SEO」にはまってしまう) おそれがあります。
今やブラックハット SEO は通用しない
しかし実際には、そんな小手先のテクニックがそのまま通用するほど甘くない状況になっています。グーグルの検索エンジンのアルゴリズムはどんどん「賢く」なっていて、ユーザーのニーズやコンテキストにあわせて、役に立つ情報を的確に提供すべく、絶えず改良が加えられているからです。
たとえば、2011年から「パンダアップデート (コンテンツの質に焦点を当てたアルゴリズム更新)」が、2012年から「ペンギンアップデート (被リンクの質に焦点を当てたアルゴリズム更新)」がそれぞれ何度か実施され、さらに2015年4月には「モバイルフレンドリー」のためのアルゴリズム更新も行われています。
ちなみに「パンダ」や「ペンギン」という名称には、「白黒ハッキリさせる」というグーグルの意志が込められています。ブラックハット SEO による質の低い検索結果表示を徹底的に排除することで、検索エンジンのユーザーに、よりよい検索結果を提供しようというわけです。
ユーザーにとって良質なコンテンツを作る
このように技術の進化 (検索エンジンのアルゴリズムの更新) によって、小手先のテクニックに腐心する必要がなくなりました。そんな中、サイト運営者に求められるのは、ユーザーにとって良質なコンテンツを作ることに尽きるといえます。
特効薬の無い、地道で、愚直な作業になりますが、ユーザーにとって本当に役に立つコンテンツを作ることで、ユーザーに評価され、感謝やリスペクトを伴った自然な形で被リンクをひとつ、またひとつ獲得する (ソーシャルメディアでシェアされることも含む)…そんなスパイラルを作りたいものです。
そのためには、何よりもまずユーザーのニーズやコンテキストに対する理解と、適切なコンテンツ設計が重要になります。適切なコンテンツ設計には、以下が含まれます。
- コピーライティング (文章表現)
- 情報設計 (情報の構造化、ラベリング、など)
- セマンティックな (意味的な) マークアップ
- アクセシビリティ
ここで「アクセシビリティ」をあげていますが、単に障害者や高齢者対応と捉えていると、意外な印象を受けるかもしれません。PC だけでなくモバイル機器やスクリーンリーダーなど多様なユーザーエージェントで汎用的に利用可能であること、また、情報保障としてあらゆる情報がテキスト化されていること、ひいては情報がすべからく「マシンリーダブル」であること、がウェブアクセシビリティの本質であり、それを意識して設計することは、検索エンジン利用を含めたユーザーエクスペリエンス (UX) に直結するのです。
コンテンツ戦略を策定し共有する
良質なコンテンツは、一時的ではなく、継続的に作り出し続けたいものです。そのためにはあらかじめ、コンテンツ戦略を策定し、関係者の間で共有しておくとよいでしょう。
コンテンツ戦略は、自社の経営戦略や販売戦略とマッチしているべきです。というのも、こうした全社的な戦略と合致した形で有用なコンテンツを出し続けることで、ユーザーにとっては、役に立つばかりでなく、芯の通った一貫性のある、信頼できる情報として伝わるからです。この姿勢は、ブランディングという観点からも、有効といえるでしょう。