Adaptive Path という米国の有名な Web コンサル会社がありますが、その創設者の一人である Jesse James Garette 氏が 2003年に提唱した「The Nine Pillars of Successful Web Teams (成功する ウェブチームの9つの柱)」という考えかたがあります。少し古いですが、今もうなずける普遍的な考え方、内容ですので、ご紹介したいと思います (英語の原文 : The Nine Pillars of Successful Web Teams - Adaptive Path)。
9つの柱
成功する ウェブチームの「9つの柱」とは、具体的には以下のとおりです。
- User Research (ユーザーの研究)
- Site Strategy (どういうサイトにするかという戦略)
- Technology Strategy (どういう技術を用いるかという戦略)
- Content Strategy (どんなコンテンツを発信するかという戦略)
- Abstract Design (概念上の/理論上のデザイン)
- Technology Implementation (技術の実装)
- Content Production (コンテンツの制作)
- Concrete Design (デザインの具現化)
- Project Management (プロジェクト管理)
このうち、上の4つ (「User Research」から「Content Strategy」まで) が戦略的側面、下の4つ (「Technology Implementation」から「Project Management」まで) が戦術的側面となっています (真ん中の「Abstract Design」は両方に属します)。
戦略策定と実行のバランス
9つの柱は、大きく戦略的側面と戦術的側面にわけることができるわけですが、前者、つまり「戦略を練ること」と、後者、つまり「プロジェクト管理をきっちりとやって成果物を実装すること」の両輪のバランスが大事であることがわかります。
そして、「戦略を練る」にあたっては、あてずっぽうではなく、何よりもまずユーザーをきちんと理解すること (1. User Research) が不可欠になります。
きちんとした根拠 (User Research の結果) に基づいた戦略立案や提案ができて、それを着実に実行できること。上記に挙げた9つの柱は、ユーザーエクスペリエンス (「顧客満足」と言い換えてもよいでしょう) を満たすための必要なスキルセットを概観したもの、といえます。
ウェブサイトを成功に導くためには、こういったスキルセットをもった制作会社をパートナーとしてもつこと、そして、クライアント様ご自身もこのスキルセットの一翼をにない、ともにウェブの成功を目指して努力を続けること、が大切です。