「ウェブサイトに投資したいが、必要な予算を認めてもらえない」という社内承認の壁に関する相談をよくいただきます。ウェブサイトにおいてもやみくもな投資は望ましくありませんが、費用対効果を適正に評価できないことで、デジタルシフトが進まないというのは非常にもったいないです。
費用対効果の試算方法はさまざまですが、今回はウェブサイトがどれだけの人件費節約に貢献しているかの試算方法の一例をご紹介します。
人件費節約へのウェブサイト貢献度の試算方法
平均セッション時間×総セッション数=1か月間にウェブサイトが閲覧された総時間
シンプルに考えると、ウェブサイトがなかったら、これだけの時間を電話や接客などで人的対応しなければなりません。
仮に、ひとりあたり1か月に160時間(8時間×20日)働くとすると、9.2人分の人を雇っているのと同じことになります。実際に人が対応する場合は、8時間ずっと接客しているわけではなく、移動や準備などの非接客時間もあることを考えると、より貢献度は高く評価してもよいでしょう。
足して評価すべき要素
Googleアナリティクスでは、計測タグが入っている閲覧開始ページにアクセスした時間と、離脱したページにアクセスした時間の時間差を平均セッション時間として集計しています。
そのため「最後にアクセスしたページの滞在時間」はセッション時間の値に含まれていません。
したがって最終ページの滞在時間も考慮すると、本来の合計セッション時間はより長くなります。
Googleアナリティクスにおける平均セッション時間計算のしくみ
差し引いて評価すべき要素
一方で、「同業他社など顧客ではないアクセスも混ざっているのではないか」「実店舗なら、接客せずにお客さんが自分で商品を見て回っている時間もあるのではないか」といった意見も出てくるかもしれません。
たしかにこれらは試算した値から引いて評価すべき要素になります。
大事なことは試算の精緻さよりも、おおざっぱでもよいから計算してみること
このように「最終ページの滞在時間」や、人的対応をする場合には必要な「非接客時間」は加算すべき要素になり、「顧客ではないユーザーのアクセス」は除算すべき要素になります。
大事なことは、精緻な試算をすることよりも、概算値として時間をかけずに試算をしてみることです。
それをきかっけに、改めてウェブサイトをどうすべきか?どのように業務に役立てるか?「ウェブに任せることと」「人に任せること」はどのように仕分けるか?といったことを考えてみましょう。
非常に簡単に計算できますので、まずは自社のサイトのアクセス集計をしてみてください。