ここ数年、新製品や新サービスのプロモーション動画を、TVCM ではなく Web 経由 (主に YouTube) で見る機会が増えたような気がします。
TVCM 枠を買えない企業でもプロモーション動画を発信できる時代
こういった動画を見て感じるのは、プロモーション動画は、TVCM 枠を買える資金潤沢な大企業だけのものではなくなったな、ということです。Web の動画共有サービス (YouTube など) によって手軽に動画を公開できる時代になり、実際、多くの新興企業 (たとえば上に挙げた「Nest」など) が自社製品/サービスを訴求するために、こぞって動画を配信するようになっています。
Web の動画共有サービスであれば、TVCM にあるような「15秒」という枠にとらわれる必要もありませんし、視聴デバイスとしてスマートフォンやタブレットが広く普及している (テレビに比べて「ユビキタス」である) ことも、メリットといえるでしょう。オウンドメディア (自社で運営するサイトやメールマガジンなど) やソーシャルメディアを戦略的に活用してうまく誘導すれば、動画のリーチ数やシェア数を伸ばすことも可能です。
「ストーリー」をユーザー (顧客) と共有する
モノ (製品) やコト (サービス) の利用を通じてユーザーが得られる経験価値のことを、「ユーザーエクスペリエンス (User Experience / UX)」と言いますが、この「UX」デザインのツールのひとつとして、「ストーリーテリング (Storytelling)」という手法があります。ユーザーの行動 (顧客の消費行動) を「ストーリー (物語)」として捉え、関係者がそれを共感を伴いながら共有することで、適切な企画、設計、開発、運営、につなげよう、というものです。
せっかくなので、その「ストーリー」を映像化して、内部のプロジェクト関係者だけでなく、外側にいるユーザー (顧客) とも共有する、というのはいかがでしょうか。製品やサービスの価値が (多少なりとも感動を伴ってた形で) 市場に伝わりやすくなるかもしれません。
ところで、上で例示したプロモーション動画にはいずれも、ユーザーの「ストーリー」があります。そんな観点であらためて見ていただいて、自社ならどんな「ストーリー」をユーザー (顧客) と共有できそうか、考えてみるのも面白いと思います。