みなさんは、「VOC」という言葉を、聞いたことがありますでしょうか?
Voice of Customer の略で、「顧客の声」という意味です。
今回はこの、「VOC」をウェブサイト運営にいかすことについて、考えてみましょう。
Web コンテンツの充実にもってこいの「VOC」
「VOC」は、ウェブサイトのコンテンツを作るうえで、うってつけの材料になります。というのも、「VOC」には、みなさんの会社の顧客にとっての :
- 困っていること
- 疑問
- 不安
- 不満
- 迷い
- 知りたいこと
- やりたいこと
...などが、いっぱい詰まっているからです。
ウェブサイトというのは、一方的に企業が伝えたいこと (商品やサービスの情報やプロモーション情報など) を発信すれば済む、というものではありません。ユーザーが主体的に検索 (情報探索) をしたり、ユーザーが任意で記事をSNSにシェアして拡散してくれたり...といった具合に、利用のされかたとしては、どちらかと言うとユーザー側 (みなさんの会社にとっての顧客側) が大きな影響力を持ちやすい性質のメディアです。
そう考えると、企業が発信したいことに加えて、それと同などに、あるいはそれ以上に、「顧客の欲求を満たす」「顧客にとって役に立つ」情報を充実させることが、企業ウェブサイトの重要な要件といえます。
そんな「顧客の欲求を満たす」「顧客にとって役に立つ」情報を創り出してゆく際に積極的に活用したいのが、「VOC」なのです。
「VOC」の集めかた
「VOC」つまり「顧客の声」は、どのようにして集めたらよいでしょうか。Web 経由であれば、以下が挙げられます。
- お問い合わせフォームから寄せられた、メールの内容。
- 検索の際に入力された、検索キーワード。
- 自社が運営するソーシャルメディアに寄せられたコメント。
- 自社名、ブランド名、商品/サービス名などでエゴサーチするとヒットするさまざまな意見や感想。
「VOC」はまた、Web 以外のチャンネルでも、得ることができます。たとえば、以下が挙げられるでしょう。
- 電話での問い合わせ、相談、クレーム。
- 営業マンや販売代理店スタッフが顧客と直接会話した内容。
このようなさまざまなチャンネルを通じて得られた情報をもとに、顧客の想いや言葉を紡ぎだし、コンテンツとして昇華させるのです。それをひたすら(ときには仮説立てや試行錯誤をしながら)繰り返すのです。
地道なことではありますが、こうした地に足の着いた努力を続けることによって、ウェブサイトのコンテンツが質、量ともに充実し、ひいてはそれが SEO にもつながり、さらに SNS 経由からの集客につながる...という好循環が期待できます。
クレームやネガティブな情報を含めて、「VOC」があることに感謝しつつ、ウェブサイトのユーザーエクスペリエンス (「顧客満足度」と言い換えてもよいかもしれませんね) を一歩ずつ着実に、高めてゆきたいものです。