マーケティング本やセミナーAIDMAの法則とAISASの法則を目や耳にしますが、これらの法則はウェブ活用を進める上でどう活きるのでしょうか?
Webを用いて顧客を意思決定に導くためには、消費者の心理的なプロセスである、AIDMAの法則とAISASの法則を理解しておくことが大事です。
AIDMAの法則とは
AIDMA (「アイドマ」と読みます) モデルは、アメリカのローランド・ホールが提唱した、消費行動の流れ (消費者の心理的なプロセス) の仮説です。「AIDMA の法則」と呼ぶこともあります。下記の5段階から成り、それぞれの段階の頭文字から、「AIDMA」と名付けられています。
- Attention (注意)
- Interest (関心)
- Desire (欲求)
- Memory (記憶)
- Action (行動)
消費者心理に着目した普遍的なモデル
この AIDMA という考えかたは、1920年代に提唱されたものです。消費行動一般のモデルとして、多くのマーケッターの間で使われ続けている、普遍性を持った法則といえるでしょう。
商品やサービスを提供する企業側の視点ではなく、買い手側 (消費者側) の心理に着目しているのが特徴です。ウェブサイトを構築して、それをどうビジネスに貢献するかという戦略を練る際にも、顧客視点をもつこと (消費者心理を理解すること) は欠かせません。その際のコンセプトワークのツールとして、AIDMA モデルは、ぜひ押さえておきたい考えかたです。
なお、Web (インターネット) の登場によって生じた消費行動の変化を反映した消費行動モデルとして、AIDMA を応用した「AISAS」という考えかたもあります。
AISASの法則とは
AISAS (「アイサス」と読みます) モデルは、電通などが提唱した、消費行動の流れ (消費者の心理的なプロセス) のモデルです。下記の5段階から成り、それぞれの段階の頭文字から、「AISAS」と名付けられています。なお、「AISAS」は電通の登録商標になっています。
- Attention (注意)
- Interest (関心)
- Search (検索)
- Action (行動/購入)
- Share (共有)
ポイントは「検索」と「共有」
この AISAS というモデルは、アメリカのローランド・ホールによって提唱された有名な「AIDMA」と対比させるものとして作られたものです。
Web (インターネット) の登場以降の消費行動の特徴として、「Search (検索)」と「Share (共有)」を盛り込んだ形となっています。消費者は、欲しい情報があれば能動的に検索エンジンで探し、気に入った情報があれば Web 上で他者と共有するようになっています。情報を共有する手段としては、AISAS モデルが考案された当時 (2005年頃) はブログや、ネットショップのカスタマーレビュー、クチコミサイトなどが主でしたが、現在ではそれに加えて、ソーシャルメディアでの情報発信が大きな割合を持っています。そして、それら共有されている情報は、また別の人によって掘り起こされ (検索され)、その人の「行動 (購入)」 に影響を与えたりします。
Web 戦略を練る際には、顧客が自社サイトを利用する前後の文脈 (コンテキスト) も含めた、消費者心理に対する理解が不可欠です。その際のコンセプトワークのツールとして、AISAS モデルは、ぜひ押さえておきたい考えかたです。