PDCAをまわす秘訣は、「PDCA」ではなく「CAPD」

投稿日: | 投稿者:ayatori
PDCAのやりかたがわからない

「PDCA が大事」とよく言われます。その重要性は漠然とは理解できるのですが、日々ウェブサイトの運営をしている中で、実際にどう PDCA に着手したらよいか、よくわかりません。どうしたらよいでしょうか?

PDCAとは

PDCAとは、Plan(計画) → Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)という4つのステップで事業活動を改善するサイクルです。

第二次世界大戦後に、品質管理の祖であるウォルター・シューハート、エドワーズ・デミングらによって提唱されて以降、経営管理や業務管理の分野を中心に広く浸透してきました。 この考え方は、ウェブ業界でも非常に重要な手法となっています。技術の進歩や新たなアイデアが日進月歩で進んでいるウェブの世界は、特になじむ業界であるといっても過言ではありません。

失敗しているサイトの多くは、Plan(計画)・Check(評価)・Act(改善)の工程をおざなりにしてしまい、Do(実行)だけに気を配ってしまっています。いわゆる、「作って終わり」のサイトです。しかし、作ることが目的ではなく、「営業マン」としてウェブサイトに活躍してもらうことが目的であれば、なかなか目には見えづらいですが、Plan(計画)・Check(評価)・Act(改善)を重視する必要があります。

まずは課題を見出す・・・Pからではなく、Cから始める

多くの人は、この言葉が示すとおり、まずはしっかり「P(計画)」を立てなければ...と思ってしまいがちで、それが結果的に PDCA の敷居を高くしているように思います。

何も情報(予備知識)がない中で、きちんとした計画を立ててみようというのは土台無理がありますし、当てずっぽうな計画は、最初からボタンの掛け違いを起こしかねません。また、いきなり計画から始めてしまうと、ついアイデアが膨らみすぎてしまい、ウェブサイトでいえば「全面リニューアル」ありきな話になってしまうおそれもあります。

おすすめなのは「C(評価)」から始めることです。評価の手法としてはウェブ解析、サーベイ、ユーザビリティテストなどが考えられます。それらによって現状を把握し、課題を見つけ、記録をとることで、改善の足がかりとするのです。見出す課題は小さなものでも構いません。むしろ初めは小さな課題のほうが、PDCA サイクルを回す経験がしやすいと思います。

とはいっても、何からスタートすればいいかわからないという方は、アクセスログ解析から始めてみましょう。自社サイトのアクセス数、人気のあるページ、離脱してしまっているページ、よく見られている時間帯など、さまざまな貴重なデータを収集できます。

施策を試行して検証する

「C(評価)」から始めることで課題を見出すことができれば、その課題を解決するための施策を打ちます。もっとも、初めから完璧な施策を打とうとしてもこれまた無理があるので、仮説として施策を考え、試行してみるのです。

試行した施策は、あくまで仮説にすぎないので、その施策が妥当であったかどうかを、検証してみます。検証といっても特別なことをする必要はなく、上述の「C(評価)」で課題を見出すのに使用した手法を再度用いて、施策実施の前後で課題がどう改善されたかを比較してみるのです。

改善が見られれば施策は妥当だったといえますし、改善が見られなければ別の施策を打つ必要性が見えてきます。また、改善が見られたものの、もっと改善の余地があるようであれば、追加施策を検討することもできます。

何度でも「やり直し」ができるのがPDCA

「PDCA」という言葉が示す順序にとらわれず、上述のように(小さくてもよいので)課題を見つける → 施策を仮説立てて試行する → 施策の結果を検証する、の繰り返しと心得ると、気軽に取り組めるのではないかと思います。

仮説が間違っていた結果、うまくいかないこともあります。しかし、試行と検証を通じて仮説が間違いであることがわかり、またやり直しができることがPDCAのメリットです。めげずに繰り返すことで、徐々に大きな問題にも取り組めるようになり、また、多くの人たちを巻き込むことで大きな成果へとつながっていくことでしょう。

失敗をおそれずに、気軽に何度でもやり直してみる、くらいの気持ちで、まずは取り組んでみてはいかがでしょうか。

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