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第3回 : 英語からはじめる多言語展開

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海外向けウェブサイト作成をおこなう場合、「各国語で別のサイトをつくる」「基準となるサイトを作成し、それを翻訳する」という二つの方法があります。

かつては前者の方法で各国語サイトを作っていたこともありましたが、昨今の経済のグローバル化、ボーダレス化にともない、後者の方法で多言語サイト構築に取り組む日本企業も増えています。

後者の方法で取り組む場合には、基準となるサイトの言語を決める必要があります。その基準となる言語を何にするかは難しい問題です。今回はこのことについて取り上げます。

「英語ファースト」におけるメリット

「基準となるサイトを作成し、それを翻訳する」という方法で多言語サイトを構築する場合、基準となるサイトの言語に日本語を選ぶのは、日本企業であれば自然でしょう。 しかし、この「日本語ファースト」とでも呼ぶべき方法にはいくつかの課題があります。それに比べると、ベースとなるコンテンツを英語で制作する「英語ファースト」を基本姿勢にしたほうが、はるかにメリットが多いと言えます。

例えば、翻訳の時です。日本語から中国語やドイツ語、フランス語などへ翻訳する場合、翻訳者の質や人数の都合から英語を経由する場合があります。実際にコンテンツを多言語化するには、日本語を基準にするよりも、英語から翻訳するほうがスムーズである場合が多く、これが翻訳コストを抑えることに結びついたり、各国の担当者間のコミュニケーションを容易にしたりします。

英語ファーストの考え方英語から直接、各国語に翻訳できます。翻訳のスピードも速く、高品質です。
英語ファーストの考え方一旦英語に翻訳し、さらに各国語に翻訳する場合が多く、スピードの点でも、翻訳の質の点でも英語ファーストに劣ります。


ローコンテクストがウェブの表現に適している

英語ファーストのメリットとして、英語をはじめとする欧米言語(あるいは欧米文化)が「ローコンテクスト」である点も上げられるかもしれません。

「ハイコンテクスト」とは文化人類学者のE・H・ホールの理論における文化の区分の一つで、コミュニケーションに際して共有されている体験や感覚、価値観などが多く、「以心伝心」で意思伝達が行われる傾向が強い文化のこと。一般的に、日本の文化は「空気を読む」ことや「状況を察する」ことが重視されることから、ハイコンテクスト文化であるといわれる。ハイコンテクスト文化に対して、言語による意思伝達に対する依存の強い文化をローコンテクスト文化と言う。(出所:ハイコンテクスト文化 - 日本語表現辞典 Weblio辞書

文字だけで情報を伝えることの多いウェブサイトでは、日本語の「ハイコンテクスト」な記述では読み手の理解を促せない場合があります。背景の文化の異なる言語への翻訳も容易ではありません。

このように、コンテクストの観点からも、明示的で直接的な表現が好まれる英語を基準とした方が、多言語に展開しやすいと言えるのではないでしょうか。

和製英語などの罠を避ける

さらに、どの言語を基準にするかによって、サイトの内容だけでなく、構造設計にも影響を及ぼす可能性があります。

例えばURLを構成するディレクトリを考えてみましょう。この時、コンテンツを多言語で展開しても、各言語サイトの間では、ディレクトリ名は共通の文字列にするとします。ディレクトリ名には英数字を使うのが一般的であるため、国際語として認知されている英語でのディレクトリ名を用いることが多くなります。 この時ベースとなるコンテンツを、日本語基準で制作する「日本語ファースト」の考え方で進めていると、気づかないうちに「メールマガジンの紹介をするディレクトリ」を

 /mail-magazine/ 

にしてしまうという罠があります。 mail magazineは和製英語です。英語ではnewsletterですので、ディレクトリ名は

/newsletter/ 

が望ましいでしょう。

設計してしまったディレクトリ構造を、あとから変更するのは難しいことです。結果的に、このような恥ずかしい表現が残ってしまう場合があります。そんなことにならないよう、つねに「英語ファースト」を基準とし、海外向けウェブサイトのコンテンツを考えましょう。

それでも「日本語ファースト」にするなら

日本企業が「英語ファースト」を実践するためには、それなりのスキルを持った人員を確保しなければなりませんし、コストもかかります。現実的には難しいかもしれません。しかし、そのようなケースであっても、英語ファーストを意識した対応をすることは大切です。

  • ディレクトリ名やファイル名の規則づけが必要なサイトの構造設計においては、正しい英語を用いて設計する
  • ローコンテクストな表現の日本語コンテンツをもとに、多言語で展開していくためのベースとなる高品質な英語コンテンツを用意する

このような配慮をすることで、「日本語ファースト」でサイト構築をおこなっても、品質の高い多言語サイトの誕生につながると言えます。

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