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第2回:マーケティングの理想は、販売を不要にすること?!

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マーケティングには「コレだ!」という訳語がない

1. 「Marketing」を日本語に訳せ、と言われたら

今でも忘れられない出来事があります。 とある面接を受けたとき、試験官に「Marketingを訳すとどうなりますか?」と聞かれました。

それに対して、「はぁ?何言ってるんだ、このおっさん」と、ココロの中で毒づいていました。なぜなら「Marketing」という言葉は、「日本語には訳せない」というのが、ちょっとでもマーケティングを勉強した者にとっては常識だったからです。

「マーケティングとは、一般的には『販売促進活動』とか『市場取引』と訳されます。ですが、これではマーケティングの実態の一部分でしかなく、狭い範囲でマーケティングを捉えることになってしまいます。マーケティングは“market”+“ing”の組み合わせです。つまり、『市場』が現在進行形で動き続けている「状態」ではないでしょうか」と答えたと記憶しています。

質問した方は、わかっていてあえて質問したのかそうでないのかはわかりません。今考えると、こちらの答えも的を射ないものであったと恥ずかしい思い出です。

なぜこんな答えをしたのか、が今回のコラムのテーマです。

2. マーケティングの理想は、販売を不要にすること

マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。

P.F.ドラッカー『マネジメント【エッセンシャル版】』 ダイヤモンド社、2001年、p.17

ドラッカーは、これまでのマーケティングが「販売」の範囲に限定されており、製品ありきでスタートしていることを指摘しました。

そうではなくて、マーケティングは「顧客」からスタートし、「顧客は何を買いたいか」「顧客が価値ありとし、必要とし、求めている満足がこれである」を問うものであるとしました。

そして、「販売を不要」にし、自然に「売れてしまう」状態を作ることを、マーケティングの理想としました。

3. 市場には何があるのか

マーケティングでは、「市場」が中心となります。販売を不要にするにしても、市場がなければ成立しません。

マーケティング論において、この「市場」は2つの意味があるとされています。
(出所:高橋克義・桑原秀文『現代マーケティング論』 有斐閣アルマ、2008年、p.13)

1つは、競争の場としての市場です。競争の場としての市場には、複数の売り手と顧客が対峙して、顧客との取引をめぐって競争していることをイメージさせます。企業の目的は、いかに多くの顧客を獲得し、競争相手と「差別化」していくか、ということとなります。

もう1つは、顧客の集合としての市場です。ただし、本当に顧客が集まっているわけではなく、企業がイメージする顧客の集まり、または企業が製品・サービスを販売する対象として認識する顧客の集まりという意味です。企業はこのような市場を想定することによって、顧客の状態を「細分化」し、具体的な行動を選択することになります。

整理すると、マーケティングでは、「差別化」するための競争の場として市場があり、そして、想定顧客を「細分化」する分析対象として市場があるのです。

4. あえて「マーケティング」を日本語に訳すのなら

マーケティングは、上述したとおり、“market”(市場)+“ing”(作ること、継続的な商品サービスの提供)の合成語なのです。しかも、その市場は2つある、というわけです。

企業の目的の定義は1つしかない。それは、顧客を創造することである。

P.F.ドラッカー『マネジメント【エッセンシャル版】』 ダイヤモンド社、2001年、p.15

ドラッカーは、企業の目的を「顧客の創造」としました。「顧客を創造すること」は、何が何でも客数を増やすとか、売上げを上げるというものではありません。

企業とは何かを決めるのは顧客である。

P.F.ドラッカー『マネジメント【エッセンシャル版】』 ダイヤモンド社、2001年、p.16

企業はお客様が求めている商品やサービスを提供し続けなければ、社会における存在意義がないのです。「外部の視点」を常に意識している企業は、結果的に多くのお客様を獲得し支持されるというのが「顧客の創造」という本当の意味なのです。

そして、そのお客様は市場に存在し、その市場を対象に活動するのがマーケティングということになります。

あえて「マーケティング」を日本語に訳すのなら、「市場創造活動」と訳すのがいいのではないでしょうか。

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