
企画段階でコンセプトを練ったはずなのに、いざサイト開発を進めてみたら何か思っていたものは違うサイトができあがってしまったり、思いついたコンテンツをやみくもに増やして目的を見失ってしまったりした経験はありませんか?
原因のひとつとして考えられるのが、ちゃんと練ったはずのコンセプトが実は煮詰まっていなかったということです。
今回のコラムでは、洗練されたコンセプト定義ができているかどうか、コンセプトからブレないウェブサイト構築を進められているかどうかを確認できる「たった10文字のコンテンツ」をご紹介します。
それはずばり、サイトロゴの横に添えるキャッチコピー(サイトキャッチコピー)です。
「サイトキャッチコピー」がコンセプト洗練度の確認に有効な理由
サイトキャッチコピーは、ウェブサイト全体にかかる「誰向けに何を、どのように価値提供しているのか」を最も端的に表わすメッセージです。秀逸なキャッチコピーには「なぜ」まで表わしているものもあります。
掲載する場所が場所だけに、長い文章でごまかすことも、絵や図表で補足することもできません。
したがって、コンセプトが洗練されていないと、サイトキャッチコピーがあいまいな表現になってしまいます。
逆に洗練されたサイトキャッチコピーを作ることができれば、それにコンテンツや機能の実装へとつながります。その結果として、ユーザーのニーズや期待に沿ったウェブサービスが提供できるようになります。
サイトキャッチコピーの事例
当社が携わったプロジェクトいくつかピックアップして成功事例をご紹介します。
日本セイフティー株式会社様
日本セイフティー株式会社様は建築、土木、解体、リニューアルなどの工事に用いる総合仮設のレンタル、及び、販売、施工する『仮設資材レンタル事業』を中心に、ポータブルトイレ(自動ラップ式)の製造・販売や建設現場のイメージアッププランニングなどを手掛ける会社です。
サイトキャッチコピー「豊富な実績と商品数で仮設資材をコーディネート」
「仮設資材」で、社名だけではわからない誰向けに何を提供しているのか(何屋なのか)を明示しています。
「コーディネート」が添えられることで、ただ商品を提供するだけではなく、最適な商品選びや、購入サポートといった顧客提供価値を示しています。
さらに「豊富な実績と商品数で」を冒頭に添えることで選ばれる理由を訴求しています。
コンセプトに従ったウェブサイトのありかた
このサイトコンセプトに従うかたちで
- 「課題」や「目的」から探しやすくする商品検索軸の提供
- 商品選定や比較に必要な「サポート情報」の提供
- 「レンタルの流れ」「返却方法」など実際に利用するにあたってのガイダンス
などをのコンテンツや機能を充実させています。
詳しくは「日本セイフティー様の支援事例」をご覧ください。
株式会社フジイ金型様
株式会社フジイ金型様は、愛知県扶桑町に本社を置く、ダイカスト金型の製作とアルミ・亜鉛・マグネシウム・真鍮などのダイカスト製品に強い金型メーカーです。
サイトキャッチコピー「ダイカスト金型の技術集団」
「ダイカスト金型」は提供している商材を示していますが、そのうしろに添えた「技術集団」「金型製造企業からモノづくり支援企業へ」という思い(コンセプト)を表わしています。
コンセプトに従ったウェブサイトのありかた
実は、提供サービスの紹介ページの見せ方は紆余曲折ありました。しかし、このようにコンセプトを定義したことで、モノとしての製品紹介ではなく、技術に裏づけられたコトを主軸としたコンテンツにいたっています。
詳しくは、「フジイ金型様の支援事例」をご覧ください。
合同会社あやとり
最後に当社の事例です。
サイトキャッチコピー「戦略的ウェブサイト構築集団」
「ウェブサイト構築」が当社の提供サービスの対象を表わしています。
「制作」ではなく「構築」としたところに会社としての意志が含められています。
一般的には「ウェブサイト制作」という言い方のほうがなじみがあるかもしれません。制作には「芸術作品をつくること」というニュアンスあります。一方で構築には、「基礎の構えから始めて全体を築く(作り上げる)こと」を意味します。
当社では、見た目がきれいなウェブサイトをつくることが目的ではなく、ウェブサイトを経営ツールとして機能させる(企業活動を形成する組織機能の一部とする)ことを重視しているため、「構築」という言葉を採用しています。
さらに「戦略的」を冒頭に添えることで、「経営戦略に従って企業の進むべき方向を指し示すウェブサイト」にするというメッセージを込めています。
コンセプトに従ったウェブサイトのありかた
こちらは、ぜひ当社のウェブサイトをご覧いただき、考察してみていただけるとうれしいです。
サイトキャッチコピー検討ワークショップのススメ

3つの事例をご紹介しましたが、いかがでしょうか?
このコラムをご覧になった方にぜひおすすめしたいのが、ウェブサイト企画の際に「サイトキャッチコピー検討ワークショップ」を取り入れることです。
サイトキャッチコピーをはっきりさせることで、必要(不要)なコンテンツ要件、機能要件、デザインの方向性などが煮詰めやすくなり、コンセプトからブレないサイト開発の遂行につながります。これから新たにウェブサイトをつくる方も、今のサイトを見直そう通している方も、ぜひトライしてみてください。