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2022年年頭あいさつ――めざすべき港を知らなければ、順風なるものは存在しない

投稿日: | 投稿者:生田 明子

天気と時間は誰にでも平等である。権力のあるなし、金のあるなしに関係ない。

風は等しく平等に吹き、自分の身体にあたる。物事が順調に進むことを「順風満帆である」と言ったりする。このとき、順風だと思うか思わないかは、目的地に向かっている自分の背中を押すような風であるか否かだ。どこに向かっているかわからない船の帆にあたる風を順風とも逆風とも言わない。

もし目的地も決めずにいたくせに逆風だと嘆いている時間があったら、風に合わせて目的地を変えてみれば順風になるだろう。風に身を任せて旅をするのもよし。目標がなければどの風も同じ風だ。どこかに向かって歩いていれば、拾いものもあるし、示唆してくれる看板も目に入る。目標を定めていれば、順風と逆風の区別もつく。いまのこの状況を活かすも殺すもその人次第である。

しかし、コロナ禍はそれとは少し違ってしまった。逆風というよりは無風であった。社会活動が止まり、目的地に進むことも、目的地を変えることもできなくなってしまった。制度や仕組みからもれて、つらい思いをした人々も多かったことには胸が痛んだ。

そんな状況で私は長野の農村へ移住した。それはまるで疎開のようでもあったが、落ち着いて次のことを考える貴重な時間となった。宴席も会食も激減し、人と会う機会も少なくなった。一方で、草刈りや雪かきなど否応なく体を動かす時間が増えた。屋外の活動であればマスクはいらない。前向きな考えを生む機会にもなる。心と体にとっては最高の贅沢だった。なにかに束縛されている感じもしなかった。社会の変化を読み取り、次の目的や目標を考え、やるべきことを己に問い続ける時間になった。土を耕し、空と山とを眺めながら、変化の本質を見極めるには田舎暮らしは最高である。

そうやって観察すると、おもしろいことに気づいた。続々と若者が移住してきたり、製造業の出身者が就農しようとしていたりしている。大変化が起きているのだ。アフターコロナが楽しみになってきた。世の中がひっくり返り始めているのだとしたら、またそれを楽しみ、なにかをしていけばいいのだ。無風だったのではない、風を感じていなかったのだ。そういう意味では、どう生きるか、どこに向かうべきかがはっきりしてからの風はすべて順風に感じられたのだ。

百年に一度の業火のなかにいたことを不幸と思うか幸いと思うかもその人次第である。

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。

表題は、ルキウス・アンナエウス・セネカ Lucius Annaeus Senecaの「ルキリウス宛て書簡集」の有名な言葉。結びは、鴨長明「方丈記」。こんなときは名著に限る。壮大な人生ゆえ、おろかな己がすぐにできることなど見つかるはずもないのだから、落ち着いて深く考えて、寄港地を探せばよいのだ。

どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

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