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ユーザビリティはランク付けできるのか?

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このコラムの読者の中には、Web サイトのユーザビリティのランキングを、目にしたことがある方も、いらっしゃるかと思います。「ユーザビリティ ランキング」というキーワードで Google 検索してみると、いくつかの例を見ることができます。これらは、「ヒューリスティック評価」という専門家評価手法を用いてサイトのユーザビリティをチェックしたうえで、チェック項目を何らかの基準で点数化し、その高低によってランク付けをする、というものです。

点数付けによるランキングの限界

ヒューリスティック評価という手法自体は問題ないのですが、Web サイトのユーザビリティを本質的に検討するうえで、このような「点数化によるランク付け」には、限界があるのではないか、と私は思っています。というのも、ユーザビリティとは本来、「特定のユーザーが特定のゴール (目的) をスムーズに達成できるか、そしてその結果、ユーザーが満足感を得ることができるか」までもが評価軸として含まれるべきだからです。

点数化によってランク付けするためには、いわゆる客観テスト (採点者の主観に左右されず、機械的に採点できる形式のテスト) にならざるを得ないわけですが、これだと、上述した「ゴール (目的) のスムーズな達成」や「満足感」までは測定することはできません。

その意味で、「ランキングで上位だから、うちのサイトのユーザビリティは優れている」とは必ずしも言えないでしょうし、そもそも、点数で一喜一憂すべきものではないように思うのです。

大事なのは改善のための課題抽出

Web サイトのユーザビリティ評価においてベースとなるべきは、あくまでもターゲットユーザーのサイト利用行動、つまりゴール (目的) を達成しようとする一連の動きです。ユーザビリティテスト、エスノグラフィ調査、アクセスログ解析、など様々な手法が使えますが、それらを通じて、ユーザー行動の中に潜む誤解やつまづきといった課題を抽出するのです。

大切なのは、具体的な改善をするための課題抽出です。課題がないこと (=点数が高いこと) を喜ぶのではなく、より良いサイトに少しずつでも改善するためのネタとして、潜在的な課題を見つけることができたらむしろそれを喜ぶくらいの姿勢でいたいところです。

Web サイトを運営しているウェブマスターが「自社サイトが他社サイトと比べて、ユーザビリティの面でどの程度優れているのか (あるいは優れていないのか) を、客観的な指標で知りたい」と望む気持ちもわからないではありませんが、ユーザビリティランキングのような調査は、点数の優劣ではなく、「他社サイトで優れていると評価されている項目を、自社サイト改善の参考にしたい」といったスタンスで見ればよいのではないか、と思います。

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